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横田裕子
株式会社AZOO  
代表取締役
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or「フィールドでプレーする誰もが必ず一度や二度屈辱を味わわされるだろう。打ちのめされたことがない選手など存在しない。ただ一流の選手はあらゆる努力を払い速やかに立ち上がろうとする。並の選手はすこしばかり立ち上がるのが遅い。そして、敗者はいつまでもグラウンドに横たわったままである」
―テキサス大フットボールコーチ ダレル・ロイヤルの言葉『アイシールド21』3巻より(©米スタジオ・ビレッジスタジオ/集英社)
仕事をしていくうえで、誰しも失敗や挫折は避けて通ることができない。挫折を味わったとき、その経験をどうとらえ、どう対処していくのかによって、仕事の命運が分かれる。
『日本教育心理学会』で発表された研究によると、生涯での挫折体験がすべて嫌な思い出のままである人は、いち早く挫折を乗り越えた人よりも、自分の将来に対して否定的な見方をする傾向があるという。同時に、いち早く挫折を乗り越えた人は有能感が高まり、未来への展望を好ましい方向へと変化させる傾向があるという。
ここではPublink社CEOである栫井のエピソードより、人気アメフト漫画『アイシールド21』から読み解く、一流の人の挫折の乗り越え方を見てみよう。
経産省官僚を辞めて、ゼロからエンジニアとして独立したときのこと。不安もあるけれど、何とかなるでしょう。今まさに、自分は夢に向かって一歩踏み出した!……とか思っていたのに現実は、最初の収入が入るまで半年かかった。あのころを振り返ると、つらかったなぁ。
一つ受託開発の仕事を取ってくる。分からないことは調べたり、人に聞いたり。たぶんこうすればいいとか思いながら、キーボードをカタカタ叩いてHTMLを打つ。よし、できたできた。完成!
「おお、いいじゃないですか!」
お客さんの反応も上々だ。
「でも、そもそもアップルみたいに、なんかもっとシンプルでクールな感じにしてほしいんだよね」
ん?一通り作ったあとに、全然違う要望!それってちゃぶ台返しじゃない?やってられるか!そんなことの連続で、正直心が折れそうな日々。
今考えれば、自分が悪いと分かります。そもそもプロジェクトのスコープの握りが甘かった。普通ちゃんとモックアップから作って、もっと方針をすり合わせてから開発しはじめるのに、当時の自分が使っていたのはPowerPoint。UI設計とかテイストとか、シンプルなのかコンテンツリッチにするかとか、そんなこと全然定義していなかった。
壁にぶつかってるときは苦しい。好きではじめたはずなのに。夜中に一人でパソコンと向き合いながら、思わずため息。あぁ、苦しい。気づけば時計の長針が一周してる。焦りと絶望で逃げ出したくなる。
そんなときに、ふと浮かんでくる漫画のセリフがありました。
「どんな優秀なプレイヤーでも、挫折することは絶対にある。一流のプレイヤーは倒れてもすぐに立ち上がって走り出す」
『アイシールド21』。大人になってからも読み直している大好きな漫画です。
主人公の小早川瀬那(こばやかわせな)は、体は弱いけど足だけ速い。アメフト初心者だから、試合中もすぐ飛ばされてすぐ挫折する。フィールドに倒される小さな体。折れそうになる心。でも、そんな主人公が進化しながら挑戦していくところがめちゃくちゃかっこいい。
アメフトも人生も。挫折って、どんな一流のかっこいい人たちも経験していてる。壁にぶち当たったことはある。苦しいのは当たり前で、違いは、そこからいかに早く走り出せるかでしかない。それを思い出したら、自分も早く立ち上がろうと思うことができました。
壁は高ければ高いほど、超えるのが難しく思えるものだ。自分が容易にできる世界から飛び出し、ゼロからの挑戦や、社会に立ち向かう挑戦をするならば、なおさら挫折したときに折れた心は修復不可能にみえるだろう。
しかし、どんなプロフェッショナルであっても、誰もが自分なりの壁にぶつかり、苦悩してきた歴史がある。どんな人にも挫折は平等だ。挫折はしてもいい。重要なことは、そこからいち早く立ち上がり走り出すこと。それさえできれば、一流と呼ばれる人に一歩ずつ近づいていくのだろう。
栫井 誠一郎
株式会社Publink 代表取締役
1982年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業後、2005年に経済産業省(国家1種)入省。マクロ経済政策、外国人留学生と日系グローバル企業のマッチング、研究開発政策、法律改正、内閣官房への出向時は政府のIT・情報セキュリティ政策を担当。2011年退職。退職後はWebサービス企画/開発を中心に活動した後、2013年6月、株式会社Zpeerを共同創業し、CTO兼CFOを担う。2017年末に退職後、経済産業省時代より長年抱いてきた官民連携への思いを形にすべく、2018年6月に株式会社Publinkを設立した。日本での官民連携を広げるべく、官民の情報・事業・人を繋ぐ事業を推進している。
▼栫井誠一郎の生き方がここに |
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