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片岡朋子
虹の学校  
校長
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シリーズ「プロソーシャルな距離」について |
01【食材を変えるだけのこと】ビタミンD、A、B12が不足している
2020年春、新型コロナウィルスの流行が世界を揺るがしてから、スーパーの売れ筋にも変化が見られている――。*
シルタスが提携する全国のスーパーより約3200万件の購買データを集計し、見えてきた事実だ(*食品の購入上昇率を「1月10日〜2月9日」と「2月10日〜3月11日」の期間で比較し、分析した調査。2月7日に厚生労働省より横浜港に寄港したクルーズ船の新型コロナウィルスの検査結果が発表されたことを受け、新型コロナウィルスへの対策が強化され始めた時期での前後を比較している)。
不要不急の外出自粛が叫ばれるなか、スーパーでの購買行動にも変化が起きている。そこから、人々の食生活の変化が読み解けると小原は語る。
「食事をする場所って、今までなんだかんだ分散していたんですよね。子どもは家と学校、大人は家と職場があって。それが家だけになったことで、保存食や即席系食品の需要が高まっています。一方で、変化を感じなくなるので、旬のアスパラガスのように季節のものもより出やすくなっていくのではないかと思います」
栄養バランスの取れた食事は、私たちの免疫力を高めるうえでも大切なものだ。食生活の変化は、当然健康にも影響を及ぼしてくる。「コロナ太り」といった言葉も叫ばれるようになり、忙しい現代人にとって何より顕在化しつつあるのは、いかに栄養バランスを考慮した食生活を送れるかという問題だ。
「今までは外で食べる選択肢が豊富にあり、栄養バランスを把握していなかったとしても、どこかで帳尻があっていたり、曖昧になっていた」
外食が当たり前にできたころは、意図せずにバランスが取れていた人もいるかもしれない。しかし、毎日家で食べることが増えれば、どうしても手軽さが重視されるなどして日々の栄養素が偏ってくる。
生活変化が起きて以降、どれほど自分の栄養バランスの偏りが大きくなっているのか、今一度見つめ直してみたい。
POINT ・ 在宅勤務の増加は、現代人の栄養バランスをますます偏らせる可能性がある |
01【食材を変えるだけのこと】ビタミンD、A、B12が不足している
食べたいものを食べて健康になれるアプリ「SIRU+(シルタス)」は、最適な食の選択をサポートし、無理なく健康へと導いてくれる存在だ
健康に悪い食事は良くない。健康に良い食事を選ぼう。そうは分かっていても日常の意思決定は極力減らしたい。一日三度の食事となれば尚更である人も多いだろう。
いざスーパーに向かうと、慣れ親しんだ食材を手にとってしまうのも人間の心理だと小原は語る。しかし、そのままでは特定の栄養素ばかりが過剰になり、取れていない栄養素は不足しつづけることになってしまうという。
「調査*によると、ビタミンD、A、B12が不足している人が多いようです。たとえばそこで、えのきって安いし使いやすいしでよく売れているんですが、それをまいたけに変えてもらうだけで、ビタミンDが約5倍になる。そういった情報を買い物ごとにちょっとずつ見てもらえれば、栄養バランスは整えられるんです(*同社が2020年3月の食品の購入上昇率を前年比〔2019年〕で比較し、分析した調査)」
スーパーでの買い物の意思決定は栄養に直結している。
何気なく選んでいる食材一つを変えるだけで、不足する栄養素は補える。好きなものを食べながら健康になるために、選択を少し変えてみる。日々の買い物から、毎日を健康に過ごす生活は始まっていく。
POINT ・ 食材選びを変えてみる |
誰しもできれば健康でいたいと思いながら、日々栄養バランスを考えるモチベーションはなかなか続かない。そうなってしまうのは、世の中には健康にまつわる誤解があるからだと小原は語る。めんどくさがりのための健康術を紐解いてみる。
「朝はバナナが健康にいいらしい」
翌日スーパーに行くと、バナナの棚が空になっていたりする。でも、次の週はリンゴが棚から消えている。
「●●を食べると健康にいい」。ときおりマスメディアでは、健康にいい食材などが話題にされる。
しかし、果たしてその健康は自分にとってのものだろうか。その時の栄養状態にとって、必ずしもその●●という食材が適切であるかは分からない。
やがて流行が過ぎると忘れられていく。そもそも健康になるために取るべき栄養素や食材は、人それぞれ異なるものである。
「僕らのサービスを使ってくれてるユーザーの半分くらいは、自己満足で使ってくれてる人が多いです。誰しもいきなりパーフェクトな食生活が作れるかというとそうじゃない。でも、『SIRU+』を使うことによって、少しずつでも栄養バランスを考えられるようになる。そういう満足感って結構大切で。実際に栄養バランスが整うことよりも、むしろそれで継続しようと思えることが大事だと考えています」
初めから完璧にできる人はいない。なによりも、健康とは結果がすぐに出るものではない。だから、結果がどうこうに期待するのは栄養管理の初歩としては間違いなのかもしれない。
満足感とともに無理なく始めること。それが、健康管理の習慣化の第一歩となる。
「大前提として、食生活ってそれぞれの家の文化だったりすると思うんですよ。幼少期に親が作ってた料理を美味しいと思うだろうし。その文化を、こっちの方が健康だから変えろと言われてもストレスでしかない。僕もお酒が好きだから毎日ビールを飲みますし(笑)。いわゆる食生活の正解は、厚生労働省やWHOなどが発表するものがありますが、完璧にそれに従ってほしいとは思いません」
たとえば厚生労働省によると、一日の野菜摂取量の目安は350g、食塩摂取量の目安は男性で8g未満、女性で7g未満であるという*。(*厚生労働省スマート・ライフ・プロジェクト「日頃から予防する栄養・食生活」より)
食事は確かに栄養摂取のためのものである。しかし、「食べたいものを食べる」ことは人間にとっての楽しみの時間でもある。楽しみのものに350gを量って決めることも難しい。
理想とされる栄養バランスのために食事を管理してしまえば、食事の楽しみが失われてしまうかもしれない。栄養管理を続けるモチベーションも維持しにくくなる。
そうではなく、今まで美味しいと感じてきた食文化を少しだけアレンジしながら栄養に気を付けられることが、結果的に健康への近道になるのだ。
「僕らの描いているヘルスケアのサービスにおけるペインって、『健康になれない』ことをペインにしているわけじゃなくて、『健康になることをやることが面倒くさい』ことがペインだと捉えています」
多くのヘルスケアサービスでは、まずユーザーの健康状態を把握するために、食べたものを写真におさめたり、日々の細かい生活記録をつけることが求められる。
しかし、せっかく健康管理に興味を持ったとしても、作業の手間からなんとなくサボりがちになってしまう人は多いのではないだろうか。スーパーの購買データと連携する「SIRU+」は、これまで通りの生活を送るだけで、自動化された栄養管理の恩恵を受けられるようにしてくれる。
もっと楽に健康になれる社会をつくりたい。ヘルスケアを身近にしたいと願うシルタスは、手軽な栄養管理や健康への取り組みを、社会の文化として醸成していく。
STEP 00 マスメディアの健康神話に踊らされない01 自己満足からはじめてみる 02 好きなものを食べる |
2020.06.16
文・Focus On編集部
小原 一樹
シルタス株式会社 代表取締役
食べることも飲むことも大好き。学生時代の世界一周の旅をきっかけに「食の適材適所」に関心を持つ。特殊冷凍技術を保有する企業に入社し、生産から販売まで様々な食品流通の現場をサポート。食の「楽しみ」と「健康」を両立させるべく、シルタス(旧アドウェル)を設立。
>>次回予告(2020年6月23日公開)
『後編 | 小売り流通業界のデジタルとリアルの融合がもたらす変化』
日常の買い物の選択肢はあふれるほどにある。スーパーにとって、リアルな店舗を持つ意味を再考する時代がやってきた。後編では、シルタスが描く小売り流通のDXとヘルスケアの未来に迫る。
連載一覧 前編 | めんどくさがりの為の健康管理術 00【withコロナの時代】健康管理に変化が訪れている 01【食材を変えるだけのこと】ビタミンD、A、B12が不足している 02【習慣】めんどくさがりの為の健康管理術 後編 | 小売り流通業界のデジタルとリアルの融合がもたらす変化 変容時代、突破のためのシンプルなマインドセット |
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