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最強の人脈づくりの3ステップ


なぜ、そんなにも多くの人がPublinkの思いに賛同しているのだろうか。

「2種類あって、一個は僕の思いに共感してくれる人とか、『僕もそう思ってたんだよ』と言ってくれる人ですね。もう一個は、官民とかよく分からないけど栫井さんのやることは面白そうだと思ってくれる人です」


―Focus On 栫井誠一郎『経産省が教えてくれたベンチャーマインド ― 全ての挑戦に贈る「0」からはじめるために必要なこと』より


人脈とは何か?新しい人と出会い、関係を築いていく。人と人の関係である。一口に言っても、いろいろな性質のものがありそうだ。


そもそも、人は人と出会うときにどんなことを考えているのだろう。プライベートで仲良くなる友達との関係と、社会に出て仕事をきっかけに築かれた関係とでは、きっと何かが異なっている。


ビジネスのときだって、友達との何気ない話みたいなものから会話が広がれば、その関係はもっと深いものになるんじゃないだろうか。それこそが、いつでも頼れる友達のような本当の人脈になるんじゃないだろうか。


栫井の築いている人脈は、単なる仕事関係云々ではない。純粋な思いや、もっといえば栫井自身から繋がる環がPublinkの周りに築かれている。


心を開いて信用しあい、互いに助け合える。どうすればそんな本物の「人脈」を築くことができるのか。


ここでは、Publink社CEO栫井の休日の過ごし方を「パーソナルスペース」の概念からひも解きながら、最強の人脈形成だけでなく、社会に向けたイノベーションが生まれるための人間関係のヒントを探ってみよう。


■パーソナルスペース
相手との関係によって変わるパーソナルスペースの距離感の定義*として、近いものから順に「密接距離」「個体距離」「社会距離」「公衆距離」というものがある。

個体距離とは相手の表情を容易に読み取ることができるほど近い空間を指し、社会距離とは相手に手は届きづらいが、自然に会話ができるほどの空間を指す。

人脈という言葉においては、通常仕事からはじまる「社会距離」の関係といえるだろう。
*参考 エドワード・T・ホール(1970)『かくれた次元』,みすず書房. 


栫井誠一郎から学ぶ 最強の人脈づくりの3ステップ


【Step1  関係のはじまり休日、趣味の活動に打ち込む。

【Step2  個体距離から外へライフとワークの垣根を超えてみる。

Step3  掛け算の発想遠い組織をつなげて、イノベーションを生み出す。




―【Step1 関係のはじまり】休日、趣味の活動に打ち込む。


友達100人ほしいなぁ。どこかで聞いた子どもの歌ではないけれど、自分も真面目にそう思っていた時期がありました。全然友達がいなかった中学時代は黒歴史。そのころの自分に見せてあげたい!大人になった今。趣味のテニスだけで、仲間が100人くらいいます。ほかにも色んな活動やコミュニティを主催したり、顔を出したり。気付けばSNSの友人も3000人を越えていました。


テニスを始めたのは大学生のとき、テニスサークルに入ったことがきっかけでした。当時は社交性ゼロ。そんな自分からしたら、小舟で荒波に漕ぎ出すくらいの暴挙。でも、今になってしみじみ思う。入ってよかった!おかげで友達もできたし、社会人になってからの休日の楽しみが一つ増えました。


新卒で経済産業省の官僚として働いていたころ、退職してからスタートアップで働いていたころ、そして独立した現在も。思えばテニスのおかげで、いろんな人と繋がることができました。

栫井の休日は、ともかく趣味の活動に打ち込んでいる。友達100人つくる、という幼いころの思いが駆り立てている。気づけば趣味のおかげで友達の輪は広がり、様々な人との繋がりを生み出しているようだ。

ともかく趣味に打ち込んでみる。そうすると自然と人の輪が広がっていく。

パーソナルスペースでいうと、「個体距離」から関係がはじまるような友人づくりに自然と導かれているようだ。栫井の人との関係のはじまりは個体距離から自然と創られているのだ。



―【Step2 個体距離から外へ】ライフとワークの垣根を超えてみる。


みんなバックグラウンドも多種多様。え?昼間はそんな仕事してるんですか?仲良くなってから知ることも日常茶飯事です。テニスという同じフィールドで繋がっている。共通の目的のもと集まっているからか、なんだか垣根も感じない。一緒に試合でもすれば、自然と仲良くなってしまいます。


あれこれ話していると、いろんな世界の話が聞けて面白い。官僚時代の仲間からは、最近の霞が関の動きが入ってくるし。経営者の方々からは、仕事に通じる刺激をたくさんもらってます。


なかには、テニスに人生を捧げてきたような人もいて、日本のテニス界の今を教えてもらったりもして。


たとえば、「最近じゃプロの大会も少なくなったし、テニスコートもどんどん減ってるよ」。と話を聞きます。いわく、試合賞金だけで生活費が稼げるプロは一握り。テニスコートもバブル時代に増えたものの、固定資産税の負担が重く、どんどん少なくなっていったそうで。


意外だなぁ。錦織圭選手とか大坂なおみ選手とか、テレビではあんなに注目されている選手がいるのに。


いろんな世界の人の現場の生の声を聞くと、実情がよく分かる。いろんな人の立場が見えてくるんです。

一つのコートでボールを追いかける。初対面の相手でも、気づけば同じくらい日焼けして、仲間になっている。

そうすれば自然とその人に興味がわいてきて、あれこれ日常生活や好みの話もしてしまうもの。当たり障りのない話から、気づけば仕事の深い話、社会の現場における課題感の話に発展することもあるようだ。

仕事を通じて関係を築くときは、社会距離が入口となり個体距離を目指すことが一般的には多い(社会距離→個体距離)。しかし、栫井の場合、テニスを通して仲良くなり仕事の話も自然とするようになっている(個体距離→社会距離)。

個人と個人として個体距離において関係を深めていくからこそ、パーソナルスペースでいう内側から外に向かう関係構築の道筋を辿ることに図らずも成功しているといえる。



Step3 掛け算の発想】遠い組織をつなげて、イノベーションを生み出す。


よくよく考えると、そういういろんな現場のリアルな課題感って、官公庁で働く知人に伝えたら何か変えられるんじゃないか?ふと思う。みんなで考えれば、良いアイディアも生まれる気がするし……。僕は普段から組織の壁を超えて、人や情報を繋げる仕事をしているからか、気づけば休日も同じように考えているんです。


想像し出すと、わくわくが止まらない。気づけば携帯を手に取って連絡してみてる。「テニスのプロ」と「経営のプロ」の交流大会開催も、そんな自分の企画で実現できたものだと思います。


どうせなら、わくわくを共有する人数は多い方がいいでしょう。


ライフもワークも組織の壁を飛び越える。遠い組織を結んで、イノベーションを起こす。そういう活動をしていると、なんでもかんでも繋がっていく。そう思わずにはいられません。

お客様だとか、仕事や利害がどうという話でもない。フラットな繋がりをベースにはじまった関係だからこそ、目線をそろえて社会の課題へと思考を広げられている。お互い本音で課題解決に向き合うことができる。情熱を語って協力し合うから、イノベーションも生まれやすい。もちろん、それが仕事へ繋がっていくこともある。

個体距離からはじまった関係から、社会の課題が見えてきたのなら、あとは、垣根を越えてわくわくする方向に進むだけである。



編集部より―どうせなら、ワクワクを共有する人数は多いほうがいい。


社会が良くなり、変わっていくことは誰にとってもわくわくすることだ。純粋に社会のためにどうするかを考える。そこでは仕事の利害なんてものは、人間関係の入り口の段階では、究極的には無視してもいいのかもしれない。


自らのビジネスにおける有用性を考える必要があれば、フラットに社会課題への目標を共有し真剣にお互いのできることを共有し実現可能性を探っていけば、結果としてついてくる話にもなりそうだ。


そう考えると、社会を変えていくイノベーションのために知恵を絞り合うことには、垣根などいらない。むしろ、それがないほうが多くの人の英知を集められるし、「仕事への繋がりが……」という理由で社会に放置される問題とならず、誰しもが解決できていない社会課題への取り組みの環を、まずは小さくとも作ることができる。


最強の人脈づくりができると、フラットな関係が築けるようになる。フラットな関係から、フラットなディスカッションが生まれ、イノベーションも生まれやすくなる。「個体距離→社会距離」へと広げていく人間関係の構築は、これからの時代のプロソーシャルな人たちには不可欠な人脈づくりと言えそうだ。



栫井 誠一郎

株式会社Publink 代表取締役

1982年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業後、2005年に経済産業省(国家1種)入省。マクロ経済政策、外国人留学生と日系グローバル企業のマッチング、研究開発政策、法律改正、内閣官房への出向時は政府のIT・情報セキュリティ政策を担当。2011年退職。退職後はWebサービス企画/開発を中心に活動した後、2013年6月、株式会社Zpeerを共同創業し、CTO兼CFOを担う。2017年末に退職後、経済産業省時代より長年抱いてきた官民連携への思いを形にすべく、2018年6月に株式会社Publinkを設立した。日本での官民連携を広げるべく、官民の情報・事業・人を繋ぐ事業を推進している。

http://publink.biz/


▼栫井誠一郎の生き方がここに
『経産省が教えてくれたベンチャーマインド ― 全ての挑戦に贈る「0」からはじめるために必要なこと』


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